スポーツバイオメカニクス MatlabとOpenSIM

スポーツバイオメカニクスの分析によく用いられるMatlabとOpenSIMの使用に関する備忘録

マーカーセットの作成

前回の更新から随分時間が経ってしまいましたが、今回はマーカーセットの作成について紹介したいと思います。
作成と言っても、もともとあるモデルを編集して作成していきます。

前回の記事では、「gait2354_Scale_MarkerSet.xlm」を開いたところで終わっていたと思います。
今回はこのマーカーセットをもとに編集していきます。

まず、マーカーセットを編集できる状態にしなければならないのですが、マーカーセットの編集にはOpenSimは使いません。
使用するソフトはExcelテキストエディタです。

Excelを起動し、ファイルを開くメニューから「gait2354_Scale_MarkerSet.xlm」を開きます。

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そうすると、このような画面が表示されるはずです。
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同じファイルをテキストエディタでも開きます。
(ちなみに、私が使用しているのはサクラエディタです。)
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なぜExcelテキストエディタを使用するかというと、Excelは内容を理解しやすいのですが、xmlファイルで正しく保存することができません。そこで、Excelで開いて、内容を理解した上でテキストエディタで編集していこうというわけです。

両方の画面を照らし合わせて見て頂くとわかると思いますが、簡単に解説します。
例えば、「Sternum」のマーカーについて見ていきます。
Excelの画面で「name2」というところにSternumと書かれていると思います。
これは、テキストエディタでは、5行目のという部分にあたります。

同様に、他の項目についても見ていくと、このマーカーはtorsoセグメントを構成していますので、Excelでは「body」の列に「torso」と書かれています。一方、テキストエディタでは、「 torso 」というようにダグ内に書かれています。
それ以降も同様に、Excel画面の1行目の文字が、テキストエディタでは「<>」で囲まれたような状態で書かれていると考えてください。

このようにして、テキストエディタの内容が理解できるようになったところで、テキストエディタで開いたファイルを名前をつけて保存しておきましょう。
万が一、データが壊れてしまった場合に、もともとのマーカーセットのデータまで壊れてしまわないためです。
(再度、ダウンロードするという方法もありますが、面倒なので)

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そこまでできたら、さっそく編集に入っていきます。
編集するにあたり、一番重要なのは、マーカーの名前です。
つまり、「Marker name="マーカーの名前"」です。
ここに書かれているマーカーの名称とViconデータ内のマーカーの名称が一致している必要があります。

つまり、Vicon Nexusの赤枠で囲んだ部分に表示されている名前と、ここに入力する名前が完全に一致していなければなりません。

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この画面のデータはPlugingaitを使っているので、ネット上にマーカーセットのデータが落ちていますが、独自のマーカーセットを使っている場合には、近いマーカーセットのサンプルをもとに自分でそれを編集してマーカーセットデータを作成しなければなりません。

例えば、マーカーを増やしたい場合には、さきほどのテキストエディタの画面でいうところの5行目から33行目までをコピーして、内容を書きかえてやれば増やすことができ、逆に減らす場合には同様に「Marker」で囲まれた部分を削除してあげればOKです。


次に、実際の編集の仕方ですが、基本的には、どのセグメントを構成するマーカーなのかと、そのセグメントにおける位置を決めてやれば良いだけです。
もしかすると、もっと細かいきまりがあるかもしれませんが、まだそこまで理解できていません。既存のマーカーセットにマーカーを少し加える、もしくは少し位置を変えるくらいの編集であればこの程度で問題ないはずです。


まずは、構成するセグメントを決めます。
bodyダグの中にセグメント名を書き込んでください。

マーカーの位置はセグメント座標系の原点からの位置になりますので、セグメントを間違えるとおかしなことになります。
位置の編集は、OpenSimで開いて確認しながらすると良いでしょう。
あとはひたすら根気よく調整を繰り返すのみです。